森國久の詩作について

本ホームページで森国久の詩を紹介しますが、以下の説明をお読みいただいてから詩を鑑賞されることをお薦めします。

森國久は生涯のうちではごく短い期間のことでしたが、詩作を行っていました。詩を書いていたのは、日本軍の兵士として中国南部の広東省に派遣された1938(昭和13)年から、1940(昭和15)年に召集解除となり日本に帰還して一年くらいの間だろうと推定されます。年齢でみると26歳から28歳の頃です。ただし、ごく一部のものは日本本土に帰還してから日をおかずに書いたと推定されるものもあります。

彼が詩作していたと言いましたが、原稿用紙のマス目を埋めるような形で詩作したのではありません。彼は広東駐留中の兵舎で一冊のアルバムを大切に保管していました。そしてそのアルバムに貼り付けた写真に、万年筆でメモないし覚え書きとして書き添えていたのです。それらはいわば一枚ずつの写真の説明文・覚え書きのようなものです。アルバムの一ページをPDFファイルで提供しますのでご覧下さい。

一見したところ、それらの詩ははっきりと詩の体裁をとっているものもありますが、写真の解説のように見えるものもあります。編集を意識して、そうでないものを区切りのいいところで改行して整え、あらためて眺めてみました。すると、詩のリズムを持ち、そこから詩の形が見えてくるものも少なくありませんでした。森國久はクセのある行書体でそれを書いていますし、また文字がかすれて読めないものもありますので、判読が難しい作業でしたが、可能な限り解読を試みました。

そのようにして編集したのがこのホームページで照会する彼の詩です。最初から表題がつけられているものもありますが、編集者の方で内容から判断してつけたものもあります。全部で十数編なので、決して多いとは言えません。これらの詩はプロの詩人のように洗練された言葉が駆使されているものでもありません。しかし、臨場感が十分伝わってきますし、二度と再現できないある時間の、ある体験が、森國久の人格とその言葉のフィルターを通して読み手に訴えてくる迫力があります。最終的にはそれら全編を本ホームページ[PDFファイルの形式]でご覧いただけます。時代背景を思い浮かべながら、どうぞじっくり味わって下さい。

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 随 筆 (1) 村長さん
 日 記  日記について
 詩 (1)良口会戦

(2)戦争は憎しみと愛のカクテル

  (3) わが車よ、轍よ

(4)征(ゆ)く道

 その他

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