新刊『森國久と草の根民主主義』
本会の役員でもある田口宏昭氏による『森國久と草の根民主主義 | 天草架橋と離島創生に懸けた不屈の生涯― 』(熊日出版)が去る7月10日に刊行された。氏は2016年9月に天草五橋完成50周年記念式典が開催された年に執筆を開始し、約5年半後の今年1月に脱稿し、先月10日、つまり森國久の誕生日に合わせて刊行された。
森國久についての本として、すでに森純子・段下文男共編著『地方創生に駆けた男| 天草架橋・離島振興に命を賭した森國久| 』(熊本出版文化会館、2016年)がある。本書はそれを参考にしつつも、異なる視点から森國久が関わった天草の地域おこし、天草架橋運動や離島創生についての資料を丹念に調べ上げ、かつ綿密な考証を加えながら時代背景と関連づけて森國久の人間像に迫っている。
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森國久は戦後の民主政治を草の根の民衆レベルで根付かせようと熱望し、民衆を鼓舞しながら民衆と共に歩んだ一地方政治家である。彼は常に「世の一隅を照らす」民衆派政治家、民衆詩人的な魂を持つ政治家としてあり続けた。
本書のねらいは、政治家としてのこのような独自性に着目し、掘り起こして解釈を加え、また真の民主主義的リーダーとしての優れた資質を評価し直し、政治家の手本として世に示すことにある。
彼の等身大の人間像をよく物語るのが次の一文である。
「筆者が見るところでは、森國久は国政に参与して善政を主導する人格・識見を備え、国家百年の計を洞察し実行するくらいの能力を持ち合わせていたが、本人は住民から親しみを込めて「村長さん」と呼ばれることに喜びを感じていた。庶民の顔がくっきりと見える距離で政治という仕事に携わりたいという意思表示であろう。
かくして彼は熊本県の南南西に位置する天草の小さな村の村長、小さな町の町長の職にあえて留まった。
けれども、民衆への思い、彼・彼女らの幸せを実現するために共に歩んだその力強い生き方は今なお、名もなき庶民、民衆に届ける彼からの応援歌である。
と同時にそれは国民、住民のための政治を指向する政治家に対する応援歌でもあり、かつ今日なお通用する有益な指針となるに違いない。」 (本書「はじめに」より引用)
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著者:田口宏昭
著者プロフィール:1944年大阪府生まれ。熊本大学名誉教授、森國久顕彰会副会長・事務局長。
書名:『森國久と草の根民主主義 ― 天草架橋と離島創生に懸けた不屈の生涯 ―』
出版社:熊日出版(熊日サービス開発株式会社)
仕様 : A5版並製(ソフトカバー)、口絵8ページ、
本文 360ページ
販売価格:1,980円(税込み)
入手法方法
① 熊本県内の一部書店
② 熊日販売センター(注文受付)
③ Amazonおよび熊日出版で販売
④ 森国久顕彰会事務局
(電話/Fax 096-295-0882)